当欄について

当欄は、世に出回るありとあらゆる文字媒体――本はもちろん、新聞、雑誌、論文、報道資料など――を読んで、ものを考えてみようとする試みの実験場です。題名に「書物」を織り込んだのも、本のかたちをとるかとらないかにかかわらず、書かれたもののすべてを視野に入れようという心づもりからです。書物と出あうことが私たちの思考世界を広げてくれる。その醍醐味をみなさんと分かちあいたい、と考えています。

当欄の出発点は、私が新聞社に在籍していた2010年4月、「本読みナビ」の名で始めた記者ブログにあります。2012年に「文理悠々」(ブック・アサヒ・コム)、2014年に「本読み by chance」(個人ブログ)と看板をかえながら、10年間にわたって書物を相手とする「取材」をつづけてきました。振り返れば、それはページの向こう側にいる著者との対話だったようにも感じられます。

今回の改装では、これまでよりも自前度と自由度を高めて、書物たちとめぐりあい、語りあう体験を記録していこうと思っています。引きつづき、ご愛読ください。

2020年4月
尾関章

《おことわり》
■引用はことわりがない限り、冒頭に掲げた書物からのものです。
■時制や人物の年齢、肩書などは公開時点のものとします。
■公開後の更新は最小限にとどめます。
■通算回数は前身のブログ/コラムを含んでいます。
■各編は原則として毎週金曜日に公開します。