休載のお知らせ

ご愛読いただいているみなさま

いつも拙稿「めぐりあう書物たち」にお目をとめていただき、ありがとうございます。

突然のことで大変に恐縮ですが、筆者のやむを得ない事情により、当欄をしばらく休みます。

どうか、ご寛恕を。

尾関章

新装開店、初回は「型破り」宣言

みずみずしい緑

さて、いよいよ、ブログの新装開店。新型コロナ禍で、ひたすら巣ごもりの日々がつづいているが、この間、ものを読んでなにかを書く、という日課を中断して没頭したのは、「店舗」の大改装だった。事前のお知らせに書いた通り、ブログの自前度を高めたのである。

「工事」の模様は、開店前から公開してきた。前身のブログ「本読み by chance」を踏襲して、改行箇所の行頭にアキを入れるか、字体を明朝風にするか、悩みはいろいろあった。試作吟味して行き着いた結論は、ご覧の通り。今風のIT作法に譲歩するかたちになった。

新しい革袋には新しい……ということで、今回、もう一つ高めようと思ったのが、ブログの自由度だ。読書ブログを10年間、500回余もつづけていると、いつのまにか型ができあがり、それに縛られている自分に気づくからだ。型とは、どんなものか?

・草稿はA4判3枚(1枚は40字×36行)
・1枚目には話の「まくら」を書く
・2~3枚目は書誌から入り、つづいて読みどころを拾う
・書物本文の「これは」という表現は、短く引用する
・1段落は、1行40字の設定で3行もしくは5行とする
・結びの段落は1~2行で締める
・一人称は「僕」とする

だいたい、こんなところか。型はしょせん型であって、できあがりが「型破り」ということもしばしばあったのだが、製作過程では自分に課する原則になっていた。経験の積み重ねから醸成されたものなので、それはそれで、一つの財産になったとは思う。

ただ、弊害もある。

「A4判3枚」については、長すぎる、というご批判を聞いた。「まくら」については、自分のことばかりダラダラ書くな、というお叱りも受けた。「一人称は『僕』」は、ときに気恥しくもあった。それだけ年をとった、ということなのだろう。

で今回、心に誓ったのは、上述の7原則をいったん取っ払ってみようということだ。

すべてを捨てるわけではない。「まくら」は手放さない。「3行もしくは5行」も、そのリズム感は大事にする。「僕」は、これからも適宜使うことがあるだろう。要は、原則に気をとられるのはやめよう、ということだ。「読む」と「考える」の遭遇を記述することに専念するために――。

では来週から再び、書物とのめぐりあいをゆっくり楽しむことにしよう。
(執筆撮影・尾関章)
=2020年4月17日公開、通算518回
■引用はことわりがない限り、冒頭に掲げた書物からのものです。
■時制や人物の年齢、肩書などは公開時点のものとします。
■公開後の更新は最小限にとどめます。